千葉大学
千葉大学 情報ページ
千葉県内唯一の国立大学、千葉大に関する情報ページです!
基本情報
千葉市に位置する、大規模な総合大学です。看護学部や園芸学部等、他大学にはない学部もあります。千葉県内では唯一の国立大学として世間の評判も高く、国立大学の中では志願者数1位の人気大学です。2016年に国際教養学部を新設し、文科省からスーパーグローバル大学に選出されました。
設置学部
文学部、教育学部、法政経学部、工学部、理学部、医学部、薬学部、看護学部、園芸学部、国際教養学部
学生数 約1万人
理系学部(工学部、理学部、医学部、薬学部、看護学部、園芸学部等)や理系学科(行動科学コース等)を合わせると、定員の6割を超える、理系向きの大学です。
場所
西千葉キャンパス <文、教育、法政経、工、理、国際教養の全学年と園芸の1年次>
JR総武線西千葉駅から徒歩1分 または 京成千葉線みどり台駅から徒歩7分
松戸キャンパス <園芸>
JR常磐線松戸駅から徒歩15分
亥鼻キャンパス <医、薬、看護>
JR千葉駅からバス15分
西千葉キャンパスがメインキャンパスとなり、1・2年次の一般教養科目(千葉大では「普遍教育」と呼ぶ)を行う総合校舎もこのキャンパス内です。西千葉キャンパスはとにかく広い!附属小中学校の敷地も含めると、東京ドーム8.5個分の広さです。そのため、学部棟の場所によってはかなりの移動距離となるため、学内移動用の自転車を使う学生も多くいます。
園芸学部の松戸キャンパスや、医・薬・看護学部の亥鼻キャンパスも駅から遠いため、自宅通学生であっても自転車を購入し、駅から自転車を使う学生が多いです。
亥鼻キャンパスにはすぐ隣に附属の大学病院があり、医・薬・看護学部生の実習の環境が整っています。松戸キャンパスには専用農場や植物工場も設置されています。
千葉大学の注目ポイント6つ
他の大学とは違った、千葉大学の注目ポイントです。筆者による独断と偏見でまとめました。
首都圏エリアの総合大学
千葉大学は都内からも通うことができる総合大学です。「首都圏エリアの国公立大がいい。ただ、東大はレベルが高すぎて…」という方にピッタリ。学部や学科の種類は理系向きが多いですが、文学部や法政経学部もレベルが高く、人気があります。
ただ、「千葉」はやっぱり「千葉」。「都心への憧れ」も持って入学するとがっかりするかも。
留学者数No.1でグローバル教育に熱心。国際教養学部を新設。
千葉大はグローバル教育に力を入れています。国立大学の中では、留学者数が3年連続でNo.1。2016年には国際教養学部を新設し、文科省からスーパーグローバル大学に選出されました。国際教養学部は、「文系」「理系」の枠組みを超えた「課題解決型教育」の学部で、在学中の海外留学が必須となっています。その他の学部でも英語での授業や留学が推奨され、国際的な取り組みがされています。
国立大学唯一の看護学部、園芸学部
千葉大の看護学部と園芸学部は、国立大学の中では唯一設置されている学部です。多くの大学では、医学部の中の看護学科という医学科の補助のような学科ですが、千葉大では看護学部として独立していて、レベルの高い研究活動を行っています。園芸学部は、園芸学、緑地環境、生物資源等、特色ある学問を学ぶことができます。
全国トップクラスの医学部、薬学部
千葉大の中でもエリート中のエリート、それが医学部です。千葉大学は総合大学ですが、元々の千葉医科大学が核となってできた総合大学なので、千葉大内でも医学部はレベルが高く、実績ある学部なのです。医学部、薬学部ともに、関東の中では東大に次ぐ難易度の学部です。
飛び入学のエリート
工学部、理学部、文学部の一部の学科では、飛び級ならぬ「飛び入学」の入試制度を設けています。高校3年生の春から大学に入学し、将来研究者として活躍するための独自のプログラムが組まれています。
県内の教員志望は間違いなしの教育学部
千葉大の教育学部は「先生になるための学部」です。1年から4年まで毎年実習があり、教育学部卒業時には、2種類の教員免許を取得して卒業します。千葉県の教育委員会には千葉大教育学部出身が多く、千葉県内で教員を目指すならば、卒業して間違いない大学です。
学部情報
文学部
学科 人文学科
行動科学コース、歴史学コース、日本・ユーラシア文化コース、国際言語文化学コース
文学部は人文学科の1学科のみで、その中で4つのコースに分かれています。入試のときに志望するコースを受験しますが、コースの枠組みを超えた柔軟な履修ができ、2年次進級時にコースの変更も可能です。
教育学部
小学校教員養成課程、中学校教員養成課程、特別支援教育教員養成課程、幼稚園教員養成課程、養護教諭養成課程
教育学部には学科がなく、5つの「課程」が設置。「学科」よりも実践的な教育を行っています。小学校・中学校の課程は、それぞれの教科(国語、数学等)の専修に分かれ、学習指導に関する専門性の高い授業が行われています。大学に附属の幼稚園、小学校、中学校があるため、教育実習が数多く実施されます。
法政経学部
学科 法政経学科
法学コース、経済学コース、経営・会計系コース、政治学・政策学コース
法政経学部は法政経学科の1学科のみで、その中で4つのコースに分かれています。1年次に4つのコースの導入科目を受講し、2年次にコース選択を行います。千葉大では法科大学院も設置されていて、レベルの高い教育が実施されています。以前は「法経学部」というちょっと発音しづらい名前でしたが、2014年に改組され、「法政経学部」となりました。
工学部
学科 総合工学科
建築学コース、都市環境システムコース、デザインコース、機械工学コース、医工学コース、電気電子工学コース、物質科学コース、共生応用化学コース、情報工学コース
工学部は総合工学科の1学科のみで、その中で9つのコースに分かれています。入試のときに志望するコースを受験します。2年次進級時にコースの再選択が可能ですが、コースを再選択する人は少ないです。西千葉キャンパス内では、工学部の学生が3分の1を占めるという人数の多い学部で、学部棟の建物も多く、移動が大変です。試験は難しく、単位取得は厳しめ。特に実験の科目は1回の欠席で即留年です。7割以上の学生が大学院に進学します。
理学部
学科 数学・情報数理学科、物理学科、化学科、生物学科、地球科学科
専門分野の探求のため、科学の基礎を学び、最先端の研究を行っています。工学部同様、単位取得は厳しく、留年率も高いです。専門分野の基礎となる、数学力は必須。数学科の学生は、高校の数学教員になる人が多く、その他の学科はほとんどの人が大学院に進学します。理学部全体では、65%以上の学生が大学院に進学します。
理学部の校舎内に「サイエンスプロムナード」というミニ科学館があり、日本で3番目に大きい「フーコーの振り子」が設置されています。
医学部
学科 医学科
関東では、東大に次ぐレベルのエリート学部です。1874年にできた病院が源流で、歴史があり、医学界での力も強いようです。卒業生のほとんどが、大学附属病院や地域の病院の臨床研修医となります。最近では事件もありイメージが良くないですが、国立大学の医学部として人気が高く、センター91%、偏差値70の最難関学部です。
薬学部
学科 薬学科、薬科学科
2つの学科が設置されています。入試時は学科の区別なく合同で募集し、3年次進級時に本人の希望と成績によって、学科が振り分けられます。薬学科は薬剤師になるための学科で6年制。5年次には薬局で5ヶ月間の実務実習を行います。薬科学科は薬の研究者になるための学科で4年制。世界的に活躍できる人材を育成するための英語強化プログラムが組まれています。薬科学科は4年制ですが、ほとんどの学生は大学院に進学します。
看護学部
学科 看護学科
国立大学では唯一の看護学部です。附属病院や附属小学校と連携した実習や演習によって、実践的な授業が行われています。3年次からの編入学生受け入れや海外大学との相互交流が盛んなことも特徴です。卒業生の8割は看護師として病院に、1割が保健師として地方自治体に就職します。
園芸学部
学科 園芸学科、応用生命化学科、緑地環境学科、食料資源経済学科
国立大学では唯一の園芸学部です。「教育プログラム制」となっていて、学科の枠で基礎的な力を養い、2年次後期に7つのプログラムから専攻を選択します。1年次は西千葉キャンパス、2年次以降は松戸キャンパス。少人数制で実習や演習を行い、専門性を身に付けます。45%が大学院に進学します。
国際教養学部
学科 国際教養学科
2016年からの新設学部です。1年次には、全学共通の必修科目に加え、人文社会科学や自然科学、生命科学等の領域を織り交ぜた、「俯瞰科目」が必修です。海外留学も必須となっていて、国際社会での実践的なスキルの習得を目指しています。
入試情報
学部・学科によって入試科目や配点が大きく異なります。全ての学部・学科の入試情報は書ききれないため、ここでは各学部に共通する入試の注目点や概要のみ表記します。入試科目や配点等の詳細は、必ず大学の募集要項等で確認して下さい。
注目点① センター試験は科目数が多い
千葉大では全ての学部でセンター試験が課され、他の国立大学同様、5教科7科目か6教科7科目が指定されています。どの学部も「英語」「国語」「数学ⅠAⅡB」は必須科目で、理科と社会が選択科目です。
主な選択型は次の3種です。
文系型 : 理科基礎2科目・物理・化学・生物・地学 から1
世界史B・日本史B・地理B・倫理政経 から2
理系型 : 物理・化学・生物・地学 から2
世界史B・日本史B・地理B・倫理政経 から1
共通型 : 物理・化学・生物・地学 から1または2
世界史B・日本史B・地理B・倫理政経 から1または2 の計3
文学部や法政経学部等が文系型、理学部や工学部が理系型、国際教養学部や教育学部が共通型として、科目指定されています。
試験範囲の狭い日本史Aや世界史A、政経のみ、理科基礎1科目のみでは受験できません。
文系にしても理系にしても、試験範囲が広くて難易度も高い科目を3科目仕上げなければならず、非常に多くの勉強時間を割く必要があります。また、多くの高校では、理科と社会の科目を学校の授業内のみで全て指導することは難しいため、学校より先取りし自分で勉強する必要があります。
注目点② センター試験:2次試験の配点比率は、2次試験の方が大きい
センター試験を指定の7科目受けると、満点は900点になりますが、千葉大ではその点数を450点に圧縮します。その点数に2次試験の点数を加え、合計点で合否が決まります。
センター試験:2次試験の配点比率は、2次試験の方が大きい学部がほとんどです。
例
2次試験の割合が小さい学科:文学部人文学科行動科学コース 等
センター450点:2次550点 2次試験比率 55%
2次試験の割合が大きい学科:医学部医学科 等
センター450点:2次1000点 2次試験比率 69%
国際教養学部、法政経学部、理学部、工学部、園芸学部、看護学部では、多くの学科の2次試験が900点となっています。配点比率を考えると、千葉大の入試はセンター試験よりも2次試験が勝負と言えます。センター試験のような基本内容だけではなく、難易度の高い2次試験の問題に対応できるよう、勉強していく必要があります。
注目点③ 前期試験の定員数は、全体定員の75%
全体の定員の内、前期試験の定員数は75%に上ります。推薦入試やAO入試を除くと、後期試験の割合は15%になるため、ほとんどの学生が前期試験で決まるということです。特に国際教養学部、教育学部、看護学部、工学部のデザインコースは後期試験を実施せず、前期試験の募集しかありません。これらの学部を第1志望とする場合は前期試験のみに賭けることになります。
注目点④ 実技試験や適性検査、面接試験を行う学科がある
教育学部の音楽専修、体育専修、美術専修、家庭科専修等では、筆記試験の他に実技試験や専門適性検査が行われます。また、医学部や看護学部では面接試験が行われます。
他の学部でも、多くの学科の後期試験で小論文や総合テストが課されています。
注目点⑤ 推薦入試・AO入試が実施されている
文学部、教育学部、理学部、薬学部、看護学部で推薦入試、
国際教養学部、教育学部、工学部、園芸学部でAO入試が実施されています。
推薦入試では、書類審査、小論文、面接試験が課される学科が多いです。
AO入試では、高校での課外活動を前提とした面接試験や課題論述試験、専門適性検査等、多くの種類があり、学部・学科ごとにユニークな入試が行われています。
推薦入試・AO入試ともに、10月~11月に試験を行い、12月に合格内定が発表されますが、センター試験で◯%以上の得点で最終合格とする学科が多いです。
就職情報
文系学部
文系全体の就職率は83.4%。金融志望なら、千葉銀行や京葉銀行にはかなり強いです。メガバンクとなると、あまり芳しくないようですが、大企業で門前払いされることはないようです。千葉県内の企業からの評価は高く、県内の企業の就職には強いですね。法政経学部は公務員と地銀等の金融機関に行く学生が多いです。
理系学部
理系全体の就職率は31.7%。医学部、薬学部薬学科、理学部数学科は多くの人が就職します。理学部や工学部は多くの人が大学院の進学を目指し、理系学部全体では約6割の学生が進学します。特に薬学部薬科学科は9割以上の学生が大学院に進みます。大学院はそのまま千葉大に進む学生が多いですが、東大の大学院を受験する人もいます。大学院進学後の就職先は多岐に渡りますが、製造業・情報通信業を中心に大手メーカーへ就職する人が多いです。