World history

世界史 勉強法

世界史 勉強法

大学受験において、世界史は暗記科目だと言われています。確かに暗記しなければいけない要素は多いのですが、「ただ覚える」という認識だけでは、うまく得点につながらないことがあります。それは、覚え方の問題や、練習量、インプットとアウトプットの割合等、要因は様々なものがありますが、より効率よく得点に繋げるために抑えておきたいポイントがあります。この記事では、BROUTEで指導している内容をご紹介します。

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科目紹介

日本史と異なり、世界史は多くの人が高校で初めて学習する教科です。普段の生活ではあまり馴染みのない外国の歴史を勉強する科目です。覚える量は非常に多いため、暗記が不得意な人は敬遠しがちですが、海外の国の成り立ちや民族的な経緯を知ることで、その他の教科の知識や教養が深まるというメリットもあります。また、世界史の内容は、地理の地誌の内容とも重複するため、国立大学受験で社会が2科目必要な場合は、世界史はオススメの教科です。
 世界史は、政治史がメインとなり、各国の成り立ちや戦争について学びます。日本史の場合は、政治史の他に、文化史、農業史、産業史など、種々のテーマの歴史についても学習が必要ですが、世界史の場合は政治史以外のテーマ史がそれほど多くないのも特徴ですね。

世界史は暗記が大前提。ただし…

ひとつ問題を見てみましょう。

問 ブリテン島の歴史について述べた文として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。 (センター試験)
① ローマが、ポエニ戦争で、一部を属州とした。
② アングロ=サクソン人が、ノルマンディー公国を建てた。
③ アルフレッド大王が、侵入したアヴァール人と戦った。
④ ヘンリ2世が、プランタジネット朝を開いた。

この問題の正解は④です。
この問題を解く鍵は、文頭の「ブリテン島」にあります。ブリテン島とは、現在のイギリスのことです。まずこのことを見抜く必要があります。
①と②はイギリスではない別の国の話なので、すぐに消去することができます。

入試問題のやっかいなところは、国や年代がバラバラに出題されるところです。上の問題では、前264年の出来事と1154年の出来事を問われています。
教科書では、概ね国や地方ごとに年代別に書かれているため、前264年の出来事と1154年の出来事ではまったく違う章に書かれています。
そうすると何が起きるか。
場所の呼び方が違うのです。


「場所」と「出来事」を関連させて覚える

世界史では、「場所」が極めて重要な要素となります。なぜなら、領土(場所)の取り合いが世界の歴史だからです。

日本史の場合、場所はそれほど重要ではありません。日本は島国で、他国から領土を奪われることがなかったからです。日本国内で領土の奪い合いをしていたのは、戦国時代くらいでしょうか。ただ、それも豊臣秀吉が全国を統一したことで収まりました。

世界史の場合、世界のあらゆる場所で領土の奪い合いが起きています。というよりも、領土の奪い合いそのものが、世界の歴史なのです。

そのため、現在の国名と場所の呼び方が異なる地域も多いので、世界史を学習する際には、「今、どの場所のどの国のことを勉強しているのか」ということを強く意識してください!

そうすることで、時代が変わっても歴史の流れを覚えていくことができます。

世界史の勉強法

世界史の勉強の大前提は、「覚える」ことです。ただ、教科書を丸暗記するのではなく、「場所」と「出来事」を関連させて覚える必要がある、ということは上記の通りです。

ここでは、「どのように覚えるか」をご説明します。

BROUTEでのオススメは、「マルチインプット法」と「即出し法」です。

マルチインプット法

人間の記憶は、インパクトが強いものや繰り返したものは、記憶に残りやすいものです。そこで、世界史の内容を、メディアを変えて何回も学習することをオススメします。これがマルチインプット法です。マルチインプット法では、以下のもののうち、何種類かを取り組んでいきます。


  • 世界史マンガ  (初学用)歴史の流れをさらう
      『新マンガゼミナール 世界史』 学研
  • 参考書  分かりやすい文章のテキストで事柄を確認
      『荒巻の世界史の見取り図』 東進ブックス
  • 教科書  中身の濃い文章で事柄を覚える
      『詳説 世界史B』 山川出版
  • 速習音声  参考書の内容を音声で聞く(倍速)
      『聞くだけ世界史』 学研
  • 速習映像  映像授業を利用し、説明を聞く(倍速)
      『世界史』 トライイット


以上のものは、「インプット」つまり「覚える」ということだけの勉強です。この中で複数のものを使って学習することで、目と耳の両方から学習していくことになります。このようにインプットの種類を増やし、何回も学習することで、覚えやすくなります。

即出し法

即出し法は、インプットした後、即、アウトプットする勉強法です。上で紹介した方法でインプットします。そしてすぐに、インプットした単元と同じ単元の問題を解くのです。例えば、古代オリエントをインプットで学習したら、すぐに問題集に取り組み、同じ古代オリエントを解きましょう。
人間の脳は、利用価値が高い、と感じたものもよく覚えている傾向にあります。せっかくインプットしたものも、ただ覚えただけでは利用価値が低く、時が経つと忘れてしまいます。そこで、すぐに問題を解く、つまり覚えた事柄の利用価値を高めることで、忘れにくくするのです。
オススメのテキストは以下の通りです。


  • 『スピードマスター 世界史B』 山川出版
  • 『シグマ基本問題集 世界史B』 文英堂

最後は一問一答

上記の通り、インプットとアウトプットを学習した後は、一問一答で仕上げましょう。問題集をやっただけでは不十分だったところや、覚えきれていないところを一問一答で確認していきます。まずは、答えは隠さず、用語の確認として読み進めていきましょう。1周が読んだら問題を解きます。赤シートで答えを隠し、1日で1つの時代を目安に進めていきます。もし、2割程度しか答えられないようなら、インプット・アウトプットが足りていません。前の教材に戻って学習し直しましょう。まずは全ての時代で5割程度答えられる、というレベルを目標にしましょう。一問一答を仕上げたら、世界史はもう敵なしです!