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数学 勉強法

数学 勉強法

理系学部を受ける受験生にとって、数学は絶対に外せない教科です。理系学部であれば、国立か私立かを問わず、ほとんどの大学で入試科目に指定されています。また、数学の上達には非常に時間がかかるため、数学への受験勉強の取り組みが、入試の合否の分かれ目と言っても過言ではありません。
ただ、非常に重要な科目である一方、全てが論理で成り立つ科目であるため、数学を苦手とする人も多くいます。この記事では、数学が得意な人にも苦手な人にも役立つよう、BROUTEで指導している内容をご紹介します。

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数学が苦手な人の大誤解「数学が得意な人はその場で解き方を思いつく」

数学が苦手な方は、数学ができる人を見て、次のように思ったことはありませんか?
「あの人はすごいなあ。この問題でこんな解き方を思いつくなんて」

これは実は誤解です。数学が得意な人というのは、その場で解き方を思いついているわけではありません。今まで学習した問題の解き方を「思い出している」だけなのです。

例えば次の3つの問題はどのように解くでしょうか?

問 方程式を解け。
2x+3=7
x/2+1/3=5/6
0.04x+0.03=0.11

中学1年生で学習する簡単なものですね。
1問目は解説するまでもないでしょう。2問目は、分数のまま計算することもできますが、式の両辺に6をかけると分母をはらうことができますね?多くの人はそのように計算すると思います。3問目も同様に、式の両辺に100をかけると小数を消すことができます。

では、2問目や3問目のような「分母をはらうために両辺に同じ数をかける」や「小数を消すために両辺に同じ数をかける」といった操作を、今この場で思いついた人はいますか?おそらくほとんどの人は、「分数や小数を含む方程式の問題を過去にやったことがあり、その解き方を覚えていた」という人だと思います。
つまり、数学の問題が解けるということは、その場で解き方を思いついているわけではなく、解き方を「思い出している」だけなのです。

受験数学はまず「解法暗記」

数学という学問は、本来ならば暗記科目ではありません。しかし、受験数学は別です。入試で点数を競う上で、「問題の解き方を覚えていること」、つまり「解法暗記」は絶対に必要です。

数学が苦手な人を見ていると、最低限覚えていなければならない「問題中の注目ポイント」「方針」「解き方」を暗記しきれていません。そして、そういう人は、『数学の「問題中の注目ポイント」「方針」「解き方」は覚えなければならないもの』という認識がないため、「覚えよう」とも思わないし、覚えるための努力をしていないことが多いのです。

「問題中の注目ポイント」「方針」「解き方」は決して難しいものではありません。先程の問題例でいうと、
問題中の注目ポイント:方程式中に分数や小数が含まれていて、このままでも計算できるが式が複雑になってしまう。
方針:分数や小数を含まない形に式変形する。
解き方:両辺に同じ数をかけ、分母をはらう。小数を消す。
ということです。

これを高校で学習するすべての問題に当てはめるのです。教科書の問題はもちろん、参考書や問題集の問題で覚えていけば、数学の点数は飛躍的に伸ばすことができます。

「公式を覚えてから練習」ではなく、「練習しながら公式を覚える」

受験数学で重要なのは解法暗記ですが、実際に計算して答えにたどり着かなければ得点できません。計算力をつけるために、問題演習をたくさん行う必要があります。
ただ、このときに意識して取り組んでほしいことが、「公式を覚えてから練習」ではなく、「練習しながら公式を覚える」ということです。

「公式や定理を暗記する」ことはもちろん重要ですが、そのことの意識が強すぎると、「公式や解法の暗記だけ」になってしまい、問題を解く上でその公式をどのように使うか、なぜその定理を使うのか、といったことがおろそかになりがちです。
公式や定理は「解法」の一部なのです。他の「問題中の注目ポイント」や「方針」もしっかり意識しなければ、一度覚えたつもりでもすぐに忘れてしまいます。

そこで、「公式を覚えてから練習」ではなく、「練習しながら公式を覚える」ということを意識して取り組んでほしいと思います。「練習しながら」つまり「問題中での使われ方を考えながら」、公式や定理を覚えていきましょう。



ここからは科目別勉強法です。ほとんどの単元は上で述べた「解法暗記」が重要であり、科目別に勉強法が大きく変わるわけではありません。ここからは単元学習の概要のみお伝えします。


数学ⅠA勉強法はこちら
数学ⅡB勉強法はこちら
数学Ⅲ勉強法はこちら

数学ⅠA勉強法

2次関数までの単元は絶対にマスター

数学ⅠAの中で最重要単元は2次関数です。2次関数は応用範囲が広く、ⅠA以外の他の単元の元にもなる非常に重要な単元です。また、センター試験でも必ず大問が1題出題され、入試での頻出単元となっています。受験で数学を使う場合は、必ずマスターしましょう。

計算は中学分野から徹底的に

数学ⅠAの中では、やはり計算分野は外せません。入試で求められる計算力は中学分野も含めて次の通りです。
・展開
・因数分解
・平方根の計算
・2次方程式
・平方完成
これらの計算は数学の基本となるものです。必ずマスターしましょう。

また、BROUTE鎌取駅前校でのオススメのテキストがあります。
桐書房出版の「計算力トレーニング 上」です。上記の基本的な計算問題が多く掲載されています。

数学Aは確率を練習

数学Aの分野では、場合の数と確率の単元を苦手とする人が多くいます。考え方が複数あり、少しの言葉の違いで式が変わってしまうため、難しいと感じるようです。

まずは、P(順列)とC(組み合わせ)の定義と使い方を覚えましょう。覚える、といっても重要なのはその考え方です。

例えば、
5P2 =5×4
5C2 =(5×4)/2!
というように計算されますが、これはなぜこのような計算をするのかを必ず理解しましょう。5と4がなぜかけ算なのか、なぜCの場合は2の階乗で割るのか、これを説明できるかどうかが、場合の数と確率の式を立てるときの考え方に関わってきます。

また、場合の数と確率の単元は、「パターン暗記」が有効です。場合の数と確率は、「問題文にこのような表記がある場合は、このような式を立てる」というパターンがある程度決まっています。それらの問題と解法のパターンを暗記することで、問題が解けるようになります。

数学ⅡB勉強法

重要単元は、三角関数、指数・対数関数、微積分の3つ

数学Ⅱの中で重要な単元は、三角関数、指数・対数関数、微積分の3つです。実際にセンター試験でも、この3つの単元を大問の中心となり、60点分の配点となっています。

まず三角関数。この単元で求められることは、加法定理と合成を確実に計算できることです。また、2倍角の公式や半角の公式も応用範囲が広いためよく出題されます。これらの計算が含まれている、三角方程式や三角不等式の練習をたくさん行いましょう。

指数関数・対数関数の単元もやはり、公式として挙げられる計算を確実に実行することが求められます。特に対数の計算では、対数の加法・乗法、真数の加法・乗法を混同しやすいのでたくさん問題演習を行って覚えましょう。

また、数Ⅱの中では大きな単元となる微積。基本中の基本となる、グラフの書き方と面積の求め方を確実にマスターしましょう。その上で、入試問題では、必ずグラフの接線に関する問題が出題されます。微分係数、導関数の定義からしっかり理解し、微分や積分の計算原理を覚えましょう。

数Bはベクトルの内積計算。数列はパターン暗記。

数Bのベクトルの単元では、内積に関する理解度の差が、得意不得意を決める要因になっています
例えば、
a ⃗ はベクトルですが、 a |はベクトルではありません。 a b もベクトルではありません。
内積の理解のためには、「ベクトルとは何か」という最初の定義が非常に重要です。

数列に関しての勉強法は、一言で言えば「パターン暗記」です。項がどのように並んでいるか、漸化式の問題がどのような形の式かによって、「このパターンはこのように解く」という解法をしっかり暗記する必要があります。

数学Ⅲ勉強法

数Ⅲは微積がすべてを決める

数Ⅲの中では、なんと言っても微積が重要です。まずは、基本公式。3次関数、指数関数、対数関数、三角関数の微分、積分がどのような式になるか、確実に覚えましょう。それぞれの関数に関して、最低30問は演習問題をこなすべきです。
次の基本公式は、積・商の微分、合成関数の微分、置換積分、部分積分です。これらの計算方法を使いこなすには、「慣れ」が大きく寄与します。それぞれの計算方法に関して最低100問は問題演習を行いましょう。特に置換積分や部分積分は、うまくいく式変形が限られています。暗記要素も多くなるため、たくさんの練習が必要です。