Japanese history

日本史 勉強法

日本史 勉強法

大学受験において、日本史は暗記科目だと言われています。確かに暗記しなければいけない要素は多いのですが、「ただ覚える」という認識だけでは、うまく得点につながらないことがあります。それは、覚え方の問題や、練習量、インプットとアウトプットの割合等、要因は様々なものがありますが、より効率よく得点に繋げるために抑えておきたいポイントがあります。この記事では、BROUTEで指導している内容をご紹介します。

pixta_92053593_M

科目紹介

日本史を高校で初めて学習する人はいないと思います。通常のカリキュラムであれば、小学校6年生のときと中学歴史で、2回は一通りのことを学習しているはずです。そのため、日本史の学習は3回目となり、中学よりも細かい事柄を勉強していくことになります。

日本史は暗記が大前提。ただし…

ひとつ問題を見てみましょう。

問 征韓論争前後の日本と朝鮮・中国との関係に関して述べた次の文a~dについて、正しいものの組み合わせを、下の①~④のうちから一つ選べ。  (センター試験)

a 江藤新平らは、不平士族の不満を背景に、朝鮮への武力行使をも辞さないという強硬論を主張した。
b 征韓論に反対したのは、欧米視察から帰国した板垣退助らであった。
c 日本は朝鮮に軍事的圧力をかけて、不平等条約である日朝修好条規を結んだ。
d 朝鮮と条約を結んだ日本は、続いて清とも日清修好条規を結んだ。

① a , c
② a , d
③ b , c
④ b , d

この問題の正解は①です。4つの文のうち、a,cが正しい文で、b,dが間違っている文です。
歴史の選択問題では、「この文は正しい!」と言い切ることは難しいですよね?多くの人は、「この文ではここが間違いだ」というように、間違いの文を探して残ったものを消去法で正文としていると思います。

この問題で見てみましょう。
bでは、「帰国した板垣退助」とありますが、板垣退助は欧米視察には参加していません。板垣退助はこのときに欧米視察に行けなかったという思いから、晩年に洋行を勧められます。その勧めが自由党の反発を招きます。
dでは、条約を結ぶ順番が誤りです。当時、朝鮮よりも清の方が国家としての枠組みが整っていて、国交を作るのは清の方が適していました。


以上2つの知識がしっかり暗記できていれば、この問題に正解できます。
ただ、そうすると暗記しなければいけない量がものすごく多くなってしまいますよね?
極論を言ってしまうと、教科書の文を全て暗記しなければいけないことになってしまいます。

では、どうするか。

日本史は「なぜ」と「流れ」を覚えるのです!

「なぜ」と「流れ」を覚える

「流れ」とは何でしょうか?
それは、大まかな歴史の動きとその原因です。

例えば、1575年。
歴史上の出来事としては、
「1575年 長篠の戦いが起こった」
というものがあります。

歴史の勉強では、これを丸暗記するのではなく、その前後の動きを見ていきます。

1543年に鉄砲が日本に伝わる

武田軍の強い騎馬隊を倒したいと思っている織田信長が目をつける

1575年 長篠の戦い
織田信長は3段の鉄砲隊を組み、武田軍の騎馬隊を圧倒した

以後、戦いは鉄砲戦が重要な要素となった。

このような動きが、歴史の「流れ」です。
また、出来事の原因となる事柄が「なぜ」です。

ある歴史的出来事が、なぜ、どのような経緯で起きたのか、を捉えるのです。

始めの問題でも見てみましょう。
bは板垣退助の自由党の流れ、dは清との開国の流れを捉えることで、正解できます。

逆に、欧米視察団のメンバーや条約の年号を丸暗記することはオススメしません。暗記事項はキリがないですし、うまく得点に繋がるかどうかは分からないからです。

このように、事柄をただ丸暗記するのではなく、「なぜ」と「流れ」を捉えていくことで、少ない暗記量で問題に正解することができます。

日本史の勉強法

日本史の勉強の大前提は、「覚える」ことです。ただ、教科書を丸暗記するのではなく、「なぜ」と「流れ」を捉える必要がある、ということは上記の通りです。

ここでは、「どのように覚えるか」をご説明します。

BROUTEでのオススメは、「マルチインプット法」と「即出し法」です。

マルチインプット法

人間の記憶は、インパクトが強いものや繰り返したものは、記憶に残りやすいものです。そこで、日本史の内容を、メディアを変えて何回も学習することをオススメします。これがマルチインプット法です。マルチインプット法では、以下のもののうち、何種類かを取り組んでいきます。
・日本史マンガ  (初学用)歴史の流れをさらう
  『新マンガゼミナール 日本史』 学研
・参考書  分かりやすい文章のテキストで事柄を確認
  『金谷の日本史 なぜと流れが分かる本』 東進ブックス
・教科書  中身の濃い文章で事柄を覚える
  『詳説 日本史B』 山川出版
・速習音声  参考書の内容を音声で聞く(倍速)
  『聞くだけ日本史』 学研
・速習映像  映像授業を利用し、説明を聞く(倍速)
  『日本史』 トライイット
以上のものは、「インプット」つまり「覚える」ということだけの勉強です。この中で複数のものを使って学習することで、目と耳の両方から学習していくことになります。このようにインプットの種類を増やし、何回も学習することで、覚えやすくなります。

即出し法

即出し法は、インプットした後、即、アウトプットする勉強法です。上で紹介した方法でインプットします。そしてすぐに、インプットした単元と同じ単元の問題を解くのです。例えば、縄文時代をインプットで学習したら、すぐに問題集に取り組み、同じ縄文時代を解きましょう。
人間の脳は、利用価値が高い、と感じたものもよく覚えている傾向にあります。せっかくインプットしたものも、ただ覚えただけでは利用価値が低く、時が経つと忘れてしまいます。そこで、すぐに問題を解く、つまり覚えた事柄の利用価値を高めることで、忘れにくくするのです。
オススメのテキストは以下の通りです。
・『スピードマスター 日本史B』 山川出版
・『シグマ基本問題集 日本史B』 文英堂

最後は一問一答

上記の通り、インプットとアウトプットを学習した後は、一問一答で仕上げましょう。問題集をやっただけでは不十分だったところや、覚えきれていないところを一問一答で確認していきます。まずは、答えは隠さず、用語の確認として読み進めていきましょう。1周が読んだら問題を解きます。赤シートで答えを隠し、1日で1つの時代を目安に進めていきます。もし、2割程度しか答えられないようなら、インプット・アウトプットが足りていません。前の教材に戻って学習し直しましょう。まずは全ての時代で5割程度答えられる、というレベルを目標にしましょう。一問一答を仕上げたら、日本史はもう敵なしです!