地理 勉強法
地理 勉強法
大学受験において、社会は暗記科目だと言われています。確かに暗記しなければいけない要素は多いのですが、「ただ覚える」という認識だけでは、地理はうまく得点できません。なぜなら、地理は「思考」が重要な科目だからです。この記事では、BROUTEで指導している内容をご紹介します。
科目紹介
多くの人は、中学社会の中で地理を学習しているため、地理がどのような科目か、ということはイメージしやすいと思います。中学の社会では、日本地理と世界地理を学習しましたね?日本地理は、各地方ごとの気候や特色や産業を学習し、世界地理は主な先進国の文化や産業について学習したと思います。中学の地理では、用語をたくさん覚えなければならず、暗記科目という印象がある人も多いのではないでしょうか。実は高校の地理では、暗記要素はそれほど多くありません。高校の地理の単元は、「系統地理」と「地誌」に分かれていますが、特に系統地理の方は「暗記」よりも「思考」が重要になってきます。
系統地理
系統地理の単元は、環境や産業のテーマ別学習です。例えば自然環境の章では、地形の成り立ちや気候、植生について、地球規模で学習していきます。
主な単元は下記の通りです。
1.自然環境
2.農林水産業、資源
3.工業生産と流通
4.生活と文化、地図
5.現代世界の課題
地誌
地誌の単元は、地域別学習です。アジア州、ヨーロッパ州といった州ごとに、国、成り立ち、地域、気候、産業などについて学習していきます。
学習する地域は次の通りです。
アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、日本
地理は「思考」の科目
地理は他の社会の科目よりも、「思考」が重要視される科目です。覚えた知識を元にして、問題の条件に合わせて考え、答えを求めます。
中学の地理では、表やグラフの読み取り、地形図の読み取りが出題されましたね?これらのような「資料の読み取り」は、思考力を問う典型的な問題と言えるでしょう。
では、「資料読み取りの問題」はどのくらい出題されるのでしょうか。
センター試験を例に見てみましょう。
2018年のセンター試験地理Bの試験は、問題数が全部で35題ありました。
そのうち、表、グラフ、地図、地形図などの資料を読み取って答える問題はいくつあったと思いますか?
答えは、32題です。
つまり、地理で出題されるものはほとんどが資料からの読み取りで、読み取った内容を元に「思考」が必要な科目である、と言えます。
「思考」の元になる「知識」は、当然覚えていなければならないので、「暗記」は絶対に必要です。しかし、暗記だけで得点できる問題は、たった3題しかないのです。得点を取るためには、資料を適切に読み取って答えを導く「思考力」を鍛える必要があります。
地理勉強法
BROUTEでオススメする地理の勉強法は、「ダブルサンド法」です。
ひとつの単元で参考書、問題集、参考書、問題集と交互に取り組む方法です。
1.参考書で知識をインプット
地理の勉強は、まずインプットから始めましょう。学校の教科書でもいいですが、堅い言葉遣いが難しく感じる人は、市販の参考書をオススメします。テキストに書かれている内容をよく読んで理解し、頭に入れていきます。
このとき、覚えるために重要事項をノートにメモすることもいいでしょう。「書いて覚える」作戦ですね。ただし、テキストの内容を写すような「ノートまとめ」はオススメしません。上にも書きましたが、地理は表、グラフ、地図や図が非常に重要ですが、それをノートにまとめるのは膨大な時間がかかってしまいます。きれいなノートを作ることにこだわりすぎないようにしましょう。
オススメのテキスト
・『きめる! センター地理』 学研
・『センター試験地理Bの点数が面白いど取れる本』 中経出版
・『村瀬の地理Bをはじめからていねいに』 東進ブックス
問題集で「考え方」をインプット
問題集といえば、覚えた知識をアウトプットするためのものですが、地理の問題は少し違います。なぜなら、参考書で覚えただけでは問題での使い方が分からないからです。1周目に問題集に取り組むときには、答えをすぐ隣に用意し、答えの出し方(問題の考え方)を見ながら問題を解いていきましょう。いわば、問題集を使って、問題の解き方、「考え方」を覚えていくのです。例えば、表中のどの数値を比べるのか、グラフのどの項目に注目するのか、といった「注目ポイント」を覚えていきましょう。
オススメのテキスト
・『センター試験地理B 超重要問題の解き方』 中経出版
・『シグマ基本問題集 地理B』 文英堂
・『スピードマスター 地理B』 山川出版
3.参考書で復習知識をインプット
1度問題集を解くと、問題を解くために必要だった知識が分かります。それを再度参考書を見て覚え直します。参考書で覚えるときに、「問題集ではこのような形で出題された」という出題のされ方を確認していきましょう。
4.再度の問題集でアウトプット
2度目のインプットで知識を確認したあと、2度目の問題集を解きましょう。覚えた内容が、どのような形で出題されるのか、ということが分かったはずです。この段階でようやくアウトプットが完了します。
以上、4つの段階をそれぞれの単元で行いましょう。4段階を全て1日の中で行うのは難しいかもしれませんが、時間は開けない方がいいです。単元ごとにインプットとアウトプットをしっかり行うことで、知識と思考力を身につけていきます。
地理受験者は必携!「地図帳」
地理を勉強する上では、必ず地図帳を用意しましょう。学校で地理を履修している場合は、多くの人が副教材として使っていると思います。参考書や問題集に出てくる図は、紙面の都合から省略されたものがほとんどです。参考書で知識を覚えるときや、問題集で確認するときは、地図帳で該当する地域を探し、テキストの解説と地図を見比べなから学習しましょう。