英語 勉強法
英語 勉強法
大学受験において、一番多くの受験生が勉強する教科は英語です。文系・理系を問わず、ほぼ全ての大学で受験科目になっており、英語の上達なくして受験の成功はない、と言っても過言ではないでしょう。
そして、多くの人が受けるがゆえに、一般の書店には非常に多くの英語の参考書や問題集が並んでいます。大学受験のものだけではなく、英検やTOEICといった英語の民間資格試験の対策のためのテキストもたくさん販売されています。また、多くの高校では、単語帳や文法の参考書が、学校の教材として配布され、学校の授業や自習課題で取り組むよう指示があることもありますね。
このように、英語に関しては数多くのテキストが存在する中で、自分の勉強法を確立しにくい教科でもあります。この記事では、BROUTEで指導している内容をご紹介します。
英語はやることが多い!
皆さん、英語の勉強と聞いて、何を思い浮かべますか?多くの人は「単語の勉強」を考えるのではないでしょうか。
確かに、英語において単語は必要不可欠です。しかし、大学受験の英語では、他にも勉強しなければならないことが山ほどあります。
例えば… 英単語、英熟語、文法、構文、精読、長文読解、速読、多読、リスニング、英作文
もちろん大学の学部やレベルによって、求められる英語力は変わってきますが、勉強しなければならない要素は、それほど変わりません。
上に書いたような、たくさんのことを勉強する必要があるのです。
英語の勉強の王道の順番
たくさんのことを勉強しなければならない英語ですが、英語の実力を伸ばすためには、その勉強する順番も重要です。
英語の勉強において、王道とされる勉強の順番があります。
それはずばり、
単語→文法→読解
という順番です。
王道を元に細かい計画
大学受験の英語の最終目標は、長文読解の大問で得点することです。そのためには、当然読解演習が必要ですが、そもそも単語が分からなかったら意味がつかめませんし、文法の理解が不十分であれば文意の正確な把握ができなくなります。やはり、重要なのは単語と文法なのです。
それでは王道の順番を元に、もう少し細かい順番をご説明します。
まず単語ですが、文法学習に必要な最低限の単語を覚え、後は文法の学習と同時並行で進めます。
最低限の単語とは、中学レベルの単語のことです。
例えば、旺文社の「ターゲット1200」の最初の200個は中学レベルの復習になっているので、まずはこの単語を覚えましょう。
その後、単語帳の教材を使って単語を覚えていきます。 同時に文法の学習を進めます。文法のインプット用教材とアウトプット用教材の両方を使い、文法学習を行います。
単語、文法が身についたら、構文の学習と、精読の学習に入ります。
精読とは、英文の一文一文を文法的根拠を考えながら正確に和訳することです。
短い文章が正確に読めるようになったら、いよいよ長文読解です。精読はせずに、スラッシュリーディングで文意を把握します。
長文読解の学習についてはこちら(下部へリンク)
長文読解の学習に入ったら、同時並行でリスニングの学習や、英作文の学習を始めます。
英作文の学習についてはこちら(下部へリンク)
単語の学習について
英語の点数がなかなか伸びない、と悩んでいる人、多いですよね。では、そんなあなたは単語の学習をどのくらいしていますか?
もう少し言えば、単語の学習に、
一日の内でどのくらい時間を使っていますか?
ノートは何ページ使っていますか?
一度に覚える量は何語ですか?
一週間や一ヶ月で何単語進みますか?
覚えた単語のテストをしたら、何割覚えていますか?
一度覚えた単語を復習していますか?
自分なりの効率の良い覚え方を工夫していますか?
これらのことを自分で真剣に計画し、実行できているなら、何も心配ありません。ただ、この記事を読んでいる方は、なかなか実行できていない人も多いかと思います。そんな人にやってほしいことがあります。それはスタートとゴールの設定です。
スタートは、始める単語帳。ゴールは志望校です。
大雑把に言ってしまえば、
GMARCHクラスの大学を目指すならば、「ターゲット1900」
日東駒専クラスの大学を目指すならば、「ターゲット1400」
大東亜帝国クラスの大学を目指すならば、「ターゲット1200」
が目安となります。
スタートの単語帳は、英語が比較的得意であれば、上記の単語帳を進めましょう。
英語が苦手な場合は、1ランク下の単語帳から始めるといいでしょう。
スタートとゴールが決まったら、次はペース配分。
例えば、4月にターゲット1900をスタートするとして、GMARCHを目指すならば、どのようなペースがいいでしょうか?
BROUTEのおすすめは、一週間に200個ずつ覚え、復習をしながら夏までに仕上げるペースです。例えば、ターゲット1900は、基本単語800個、重要単語700個、応用単語400個で構成されています。4月の始めから一週間に200個ずつ覚えると、4月の終わりに800個を覚えることになります。その後、5月の始めから2周間かけて800個の復習をします。重要単語700個、応用単語400個も同様に進めます。200個ずつの暗記と2週間の復習を行うと、7月までにターゲット1900の暗記が完成します。
すると、8月の夏期講習で行う文法学習の効率も上がりますし、9月の模試で分からない単語がなくなります。
このように、スタートとゴールを決め、ペース配分を考えることで、単語力を向上させていきます。
BROUTEおすすめ!単語の覚え方はこちら!(別ページにリンク)
さらに、単語の勉強において、非常に重要なことがあります。
それは、英単語の「品詞を覚える」ということです。
なぜ、品詞が重要なのか。それは、文法に大きく関わるからです。
文法の学習について
私達日本人にとって、英語は母国語ではなく、外国語です。外国語は、文のルールが違うので、しっかりと文法を勉強しなければいけません。
「何を当たり前のことを…」と思われるかもしれませんが、このことは意外と分かっていないものです。
例えば、バイリンガルを目指して、英語のネイティブスピーカーと同じように英語を覚えようとする教材や英会話教室が世の中に溢れていますね?
アメリカ人が英語を覚えるのと、日本人が英語を覚えるのではまったく違うはずなのに、同じ勉強方法をするのはとても効果が望めません。このことは、外国人に日本語のことを説明することを想像していただければ分かりやすいです。
例えば、次のものを音読してください。
「1本、2本、3本、4本、5本」 何と読みましたか?
「いっぽん、にほん、さんぼん、よんほん、ごほん」
と読んだ方が多いと思います。
では、なぜ同じ「本」という漢字なのに、前の数字が違うことで「ほん」「ぽん」「ぼん」と変わるのでしょうか。
おそらく、ほとんどの日本人は、「ほん」「ぽん」「ぼん」を「ほん」「ぽん」「ぼん」無意識に使い分けていると思います。しかし、日本人が無意識に行うことを外国人ができるでしょうか?
私達日本人が英語を学ぶことも同様です。
英語のネイティブスピーカーが無意識に行うことを、日本人がまねすることはできないのです。ではどうするのか。「文法」という論理の枠組みで考えるしかありません。
英語の文法において、非常に重要なことが2つあります。
それは、「文構造」と「品詞」です。
日本語の場合、「私」という単語の後に「は」「が」「を」等の助詞をつけることで、文の主語になったり、目的語になったりします。
ところが英語はそうではありません。
例えば、
He gave her a present.
She gave him a present.
のように、文の「どこ」に単語が入るかで意味が変わってくるのです。
さらに、「彼」を表す語も、主語で使う場合はhe、目的語で使う場合はhimと単語が異なっています。
つまり、英語の文法では、
単語の並びの場所を表す「文構造」と、文の中でどのような役割になるかという「品詞」が重要なのです。
大学受験の英文法は、この「文構造」と「品詞」を基礎中の基礎として必ず覚えましょう。
その後、この2つを核にして、文法事項を学習していくのがいいでしょう。
また、その他の文法の中では、時制、助動詞、不定詞、動名詞、分詞、関係詞、比較が重要な単元です。これらの単元を早めに取り組みましょう。
BROUTEでおすすめする教材は、4種類です。
インプット型の参考書として、
学研プラスの「成川の なぜが分かる 英文法の授業」と「成川の 英文法Input」です。
アウトプット型の問題集として、
文英堂の「シグマ基本問題集 英文法」と、桐原書店の「PowerStage」です。
いよいよ精読
単語と文法の学習が進んだら、次は精読です。
近年、大学受験の英語は文章量が非常に多く、速読ばから注目されていますが、英文読解の基本は精読です。短い一文が正確に訳せなかったら、長文も正確には約せません。
例えば、下の2つの文を見て下さい。和訳すると、どうなるでしょう?
(a)I will ask him the question if he comes to the party.
(b)I will ask him if he will come to the party.
いかがでしょうか?
2つを訳し分けることができましたか?
(a)の文は、I will ask him the question でSVOOの文型となり、文が成立しています。そのため、if は副詞節を作り、その訳は「もし~なら、」となります。
(b)の文は、I will ask himだけでは、SVOOのうちSVOしかなく、文が成立していません。…ということは、ifは名詞節を作り、SVOOが成り立つのです。その訳は「~かどうか」となります。
答え
(a)もし彼がパーティーに来るなら、私は彼にその質問を尋ねるつもりだ。
(b)彼がパーティーに来るかどうか、私は彼に尋ねるつもりだ。
このように、品詞や文構造を軸にして、文法的根拠を考えながら文を正確に訳すことが精読です。
精読の次に速読
英文の精読を身に着けたら次は速読です。
速読とは、読んで字のごとく、速く読むことですが、ここでひとつ重要な読み方があります。
それは、スラッシュリーディングです。
例として、次の文をきれいな日本語に訳してみましょう。
I played tennis with my friend at the park yesterday.
答えは、「私は、昨日公園で友達とテニスをした。」となりますね?
では、日本語に対応する英単語を見てみましょう。
played した
tennis テニスを
with my friend 友達と
at the park 公園で
yesterday 昨日
となり、英語をきれいな日本語に訳すためには、文の後ろから戻るように訳すといいと分かります。
しかし、入試のように時間制限がある場合、英文の終わりからいちいち戻っていては、とても時間が足りません。
そこで、長文を読むときには、語句の塊で意味を捉え、きれいな日本語にはしない方がよいのです。
例えば、「私はテニスをした、友達と、公園で、昨日」と訳して内容を捉え、次の文に進むのです。
こうすることで、英語の文を速く読むことができるようになります。