【佐倉　塾】また変わるの？大学入試制度　＜2025年度入試＞⑨　情報編 | 佐倉の大学受験なら佐倉高校生専門塾 BROUTE | ブログ

「情報Ⅰ」は2025年度入試において初めて実施されますが、去年までに2回サンプル問題が公表されています。

サンプル問題の内容を見てみると、すべて新課程の「情報Ⅰ」で学ぶものでした。

webやSNSなどの利用の注意点といった簡単な問題もありますし、プログラミングに関する難しい問題もありました。

『情報Ⅰ』の単元を再掲すると、

（1）情報社会の問題解決

（2）コミュニケーションと情報デザイン

（3）コンピューターとプログラミング

（4）情報通信ネットワークとデータの活用

となりますが、どの単元もバランスよく出題されています。  

次に、共通テストの問題傾向の注意点を３つ書きます。

新しい分野の出題として、「プログラミング」があります。

近年、高校の情報科目だけではなく、小中学校で学ぶ内容にも「プログラミング」や「プログラミング的思考」といった内容が入っているため、特に注目されている言葉だと思います。

子供でも直感的に扱える「Scratch」やロボットプログラミングを経験した人もいるのではないでしょうか？

ここで、共通テストで出題されるのは「疑似プログラミング」であることに注意が必要です。

高校の『情報Ⅰ』で扱うプログラミング言語は、通常、英語表記になっています。

しかし、どのように表記するかは扱う言語によって異なるため、統一した表記は存在しないのです。

それを入試という統一した表記で行うために、共通テストのプログラミングは日本語を用いた擬似的なものになっているのです。

そのため、実際のプログラミング言語とは表記が異なるということに注意が必要です。

ただもちろん、実際のプログラミング言語で訓練することは、実力をつけるために有効な対策です。

サンプル問題を見る限り、どちらも共通して数学的な分野からの出題が多いという特徴があります。

これは、情報という科目そのものの特徴でもありますが、データを扱う教科である以上、「数学Ⅰ」の「データの分析」という単元で学ぶ内容と重複するものが多くあるのです。

具体的には、「分散」、「標準偏差」、「相関係数」などの内容です。

言い換えれば、「情報」で高得点を取るためには、「数学Ⅰ」をしっかり理解しなければならないということです。

2回のサンプル問題を比べると、2回目の問題の方が難しくなっています。

私が実際に解いた印象としては、要求される知識レベルが上がっているように感じました。

また、一昨年共通テストが始まってから、他教科では「文章量が多すぎる」との批判が寄せられていますが、『情報Ⅰ』のサンプル問題も、1回目より2回目の方がより多い文章量です。

本番の共通テストに向けてさらに難化すると思います。

2023年4月現在、国公立大学で標準的に課している共通テストとして、『情報』の受験は必須となっています。

これまでの国公立大学の共通テストでは５（６）教科７科目であり、これだけでも大変な勉強量ですが、ここからさらに増えることになります。

数学や社会の科目再編で増える分も考えると、尋常ではないくらいの負担増と言えます。

国公立大学を志望する人は、その負担を跳ね返すくらいの気力を持ちましょう。 　

ただ、現時点で情報科目の配点を0にする、と公表している大学もあり、情報科教員の不足、地域差の不平等、作問難易度、受験生の負担増など、多くの問題点があります。

2021年度入試の記述式導入や英語資格試験の導入について、2019年秋に突然延期が発表されたように、情報も入試での使用が変更になることもありえます。

今後の大学受験情報に注意が必要です。    

次回、情報科目の対策について書きたいと思います。