【佐倉 塾】また変わるの?大学入試制度 <2025年度入試>⑦ 社会編

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こんにちは! 佐倉高校生専門塾BROUTEの青木です。  


現在の高校2年生の学年から、また入試制度が変更になります。

高校2年生以下の学年は、新しい学習指導要領に則って授業が行われていて、それに伴う制度変更です。

今回は、社会(地理歴史と公民)について書きたいと思います。社会は2回目の記事ですので、科目の変更については前回の記事をご覧ください。


<社会> 共通テストの変更点

科目の変更点

共通テストで実施される科目は、下の表のように変更されます。

旧課程 新課程
『地理A』
『地理B』
『地理総合、地理探究』
『日本史A』
『日本史B』
『世界史A』
『世界史B』
『歴史総合、日本史探究』
『歴史総合、世界史探究』
『政治・経済』
『倫理』
『倫理、政治・経済』
『公共、政治・経済』
『公共、倫理』

『地理総合、歴史総合、公共』


※ 『地理総合、歴史総合、公共』については、3分野のうちから2分野を選択して解答する。

ただし、「社会」の中で2科目受験する場合、その選択の仕方に制限あり。  


例えば、

社会の第1解答科目として『歴史総合、日本史探究』を選ぶ場合、

第2解答科目として『地理総合、歴史総合、公共』の中の選択においては、「地理分野」と「公共分野」しか選べない。(歴史分野は重複してしまう。)

共通テスト実施科目の変更

学習指導要領の改訂により、社会の科目が再編されましたが、実はそれ以上に大きな変更となっているのが、共通テストでの実施科目です。

上の表のように、旧課程では学習指導要領の科目と同じ科目が、共通テストでも実施されていました。

新課程での共通テストで実施される科目は、学習指導要領の科目が組み合わさって構成されています。

共通テストは複合科目での実施となるのです。


単独科目の消失と複合科目化

新課程での共通テストは大きく変わります。

主に「日本史B」を引き継いでいる『日本史探究』という科目の単独での実施がなくなるのです。

歴史は『歴史総合、日本史探究』という複合科目での実施となっています。  

世界史や政経も同様で、複合科目でのテストしかありません。

「歴史総合」という科目は、日本史Aと世界史Aを合わせたような内容ですから、この年以降の受験生は、日本史全般と世界史の近現代を両方とも受験で使う、ということになります。


国公立大学は大幅な負担増

共通テストの実施科目が複合科目になったことで、国公立大学を目指す生徒にとっては大幅な負担増となってしまいました。


旧課程の国立文系の場合は、『日本史B』と『倫理,政治・経済』の2科目か、『世界史B』と『地理B』の2科目を選ぶ人が多くいました。

その理由は学習内容の近さによるものです。


新課程で同じような選択だと、『歴史総合、日本史探究』と『公共、政治・経済』の2科目か、『歴史総合、世界史探究』と『地理総合、地理探究』の2科目になると思います。

前者の選択の場合、歴史総合の世界史分野が新たに増えているということです。

歴史は学習量が多く、複数の科目をこなすのは労力を費やします。


軽い科目の消失

また、『現代社会』のような軽い科目がなくなってしまったのも大きな変更です。


例えば、千葉県立保健医療大学など、学部の特徴から社会科に重点を置いていない大学の入試では、従来『地理A』や『現代社会』などの軽い科目を使用できました。

しかし、新課程では、軽い科目の単独の実施がありません。

『地理総合、地理探究』などのような重い科目で受験しなければいけなくなりました。


私立大学の入試科目にも影響

数学の科目再編と同様に、社会でも私立大学の一般選抜に影響があります。


例えば、上智大学 経済学部 経営学科の一般選抜。

選択科目として、「世界史・日本史・数学」から1つ選ぶのですが、 このうち世界史の試験範囲は、「歴史総合、世界史探究」となっているため、日本史の近現代も含みます。

この入試は一般選抜であり、共通テストを用いない方式ですが、共通テストと同じ科目が設定されているのです。


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佐倉高校生専門塾 BROUTE

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