【佐倉 塾】また変わるの?大学入試制度 <2025年度入試>⑥ 社会編

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こんにちは! 佐倉高校生専門塾BROUTEの青木です。  


現在の高校2年生の学年から、また入試制度が変更になります。

高校2年生以下の学年は、新しい学習指導要領に則って授業が行われていて、それに伴う制度変更です。

今回は、社会(地理歴史と公民)について書きたいと思います。社会も数学と同様、科目と単元に関して大きな変更があるため、2回に分けてお伝えします。


<地歴> 学習指導要領の改訂 

科目の変更点

地歴は科目名と科目構成が変わるという大変革です。 科目名と標準単位数を下の表に示します。


旧課程 新課程
地理A
地理B
2
4
地理総合
地理探究
2
4
日本史A
日本史B
世界史A
世界史B
2
4
2
4
歴史総合
日本史探究
世界史探究
2
4
4



地理、歴史は大きな科目再編

学習指導要領の改訂により、社会の地理、歴史は科目が再編されました。

従来のA、Bという科目名ではなく、総合と探究という新たな科目名となっています。  


地理については、比較的分かりやすく、主に地理Aを引き継いだ科目である『地理総合』、主に地理Bを引き継いだ科目である『地理探究』に再編されました。  


歴史については、日本史A(明治維新以降の近現代)と世界史A(産業革命以降の近現代)を合わせた科目である、『歴史総合』が新設されました。

他に、日本史Bを引き継いで『日本史探究』、世界史Bを引き継いで『世界史探究』に再編されています。


必修科目の変更

新課程では、『地理総合』と『歴史総合』の2科目が必修科目として定められています。

そのため、普通科の高校生は全員、地理と日本史と世界史の基本事項を学ぶことになりました。


従来は世界史のみが必修で、地理か日本史は選択した後での必修だったため、非常に大きな変更だと言えます。

この科目再編と必修化は、世の中のグローバル化の中で、自国の歴史、他国の歴史、日本の地理的特徴を学ぶ意味が高まったことが理由だと思います。


入試での扱われ方

大学入試の試験科目としても変更が生じます。


旧課程では、私立大学の一般入試や国公立大学の2次試験において、『日本史B』、『世界史B』が主に使われてきました。

新課程では、それぞれの科目を引き継いでいる『日本史探究』、『世界史探究』となるのですが、ここに『歴史総合』も入試の試験範囲に入れるかどうか、大学によって分かれています。


もし、『歴史総合』も試験範囲に入るとすると、日本史分野と世界史分野を両方やることになり、負担が大きいです。

次回の記事でご説明する「共通テストの実施科目」というところも踏まえると、大学が設定する入試科目にも大きな変更が予想されます。


学校の教育課程の変更

学習指導要領の改訂に伴って、当然のことながら学校の教育課程も変更されています。


<佐倉高校>


旧課程では、

1年 『世界史B』

2年 『日本史B』か『地理B』 のどちらか選択

3年 各科目の未習単元と入試対策

のカリキュラムでした。


新課程では、

1年 『地理総合』と『歴史総合』

2年 『日本史探究』か『世界史探究』か『地理探究』のどれか選択

3年 各科目の未習単元と入試対策

のカリキュラムになります。

1年次の科目数が増えるため、負担が増えます。  


<他高校>


高校のレベルと大学受験の進路指導方針によって、開講されている科目や学年が異なりますが、多くは希望する大学が受けられるカリキュラムになっていたと思います。

上記の通り、学習指導要領の改訂によって、入試科目も変わってきますので、科目の選び方には注意が必要です。


<公民> 学習指導要領の改訂 

科目の変更点

公民も科目の再編が行われました。 科目名と標準単位数を下の表に示します。


旧課程 新課程
現代社会
政治・経済
倫理
2
2
2
公共
政治・経済
倫理
2
2
2


公民も科目再編

学習指導要領の改訂により、公民も科目が再編されました。


従来の『現代社会』という科目は、政治や経済の基本的事項と、倫理の青年期の分野と、現代社会の諸問題について扱う科目でした。

ここに、SDGsなどの話題や、デジタルツールの諸問題、道徳的話題について盛り込んだ科目が、『公共』です。

中学校までは、「道徳」という教科があり、入試などで評価はされないものの、学校の授業で正式に扱う教科でした。この学習指導要領の改訂によって、高校でも道徳的規範などを学ぶものとして『公共』に盛り込まれているのです。


『現代社会』という科目よりも、より身近で実際的な場面を想定した学習内容で、アクティブラーニングで行うことも推奨されている科目です。


必修科目の変更

新課程では、『公共』が必修科目として定められています。

従来は『現代社会』または、『政治・経済』か『倫理』のどちらか、のうち1つ以上選択でした。

新課程では、高校生全員が社会の基本事項を学ぶことになります。


入試での扱われ方と教育課程

大学入試の試験科目としても変更が生じます。


旧課程では、『政治・経済』という科目で入試が行われていましたが、『公共』も合わせた試験科目になる大学もあります。

地理歴史と同様、学習指導要領の改訂に伴って、学校の教育課程も変更されています。


<佐倉高校>


旧課程では、3年生全員が、『政治・経済』と『倫理』の両方を履修していました。


新課程では、

2年 『公共』を必修

3年 『政治・経済』、『倫理』を選択可能

というカリキュラムになります。  


<他高校>


地理歴史と同様、高校のレベルと大学受験の進路指導方針によって、開講されている科目や学年が異なります。

学習指導要領の改訂によって、入試科目も変わってきますので、科目の選び方には注意が必要です。        



次回、社会の共通テストの変更について書きたいと思います。


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住所:千葉県佐倉市鍋山町36-16

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