【佐倉　塾】また変わるの？大学入試制度　＜2025年度入試＞④　数学編 | 佐倉の大学受験なら佐倉高校生専門塾 BROUTE | ブログ

学習指導要領の改訂によって、数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cに括られる単元が変更になりました。

下の表はその変更になった単元の表です。

（数Ⅰと数Ⅱはほとんど変更がないので省略します）

数学についての大きな変更は、『数学C』が新設されたことです。

これまで、「数B」で扱っていた「ベクトル」と、「数Ⅲ」で扱っていた「複素数平面、２次曲線」をまとめる形で、新しい「数C」という科目が構成されています。

数A、数B、数Cはいずれも3単元ずつで構成されていて、その内2単元を選択して履修することになっています。

ただ、実質的には、数Aはこれまで通り3単元とも履修することになると思います。（整数も入試に出るため）

数Bのうち「数学と社会生活」、数Cのうち「数学的表現の工夫」はサブのような単元なので、数B、数Cにおいても、実質的には履修する単元が決まっています。

（実際、上記のサブのような2つの単元は共通テストに出題されません。）  

なお、数Cという科目については、 2014年度までの学習指導要領で設置されていた科目と同じ名称ですが、学習する単元は異なるものです。

上記の通り、数Bでは「数列」、「確率統計」、「数学と社会生活」のうち、2単元を学習します。

実質的に、「数列」と「確率統計」の2つをメインの単元として扱うことになりました。  

旧課程の学習指導要領では、「数列」、「ベクトル」、「確率統計」のうち2単元だったので、全国ほぼすべての高校で「数列」と「ベクトル」を履修していました。

（ごく一部の全国トップクラスの高校のみ3単元とも履修。）

大学入試でも共通テスト以外では出題されず、ほとんどの大学で、「数Bは数列とベクトルのみ出題」ということが募集要項に書かれていました。

新課程の学習指導要領では、「確率統計」がメインの単元として扱うことになりました。

これは、ICTの発達によりデータや統計の取り扱いを学ぶ必要性が高まったからだと思います。

2000年代頃までは、システムエンジニアやプログラマーなど情報産業に関わる職業や、工業・医療・農業分野といった理系の職業の人しか、データや統計を扱うことはありませんでした。

しかし、ICTの発達により、近年はあらゆる職業でデータや統計が利用されるようになり、その知識や技能の必要性が高まっています。

また、SNSの発展もあり、誰もが情報を発信できるようになったことで、ますます知識が求められています。

特に、この数年はコロナウイルス感染症に関して、感染者数や重症化率、ワクチンの有効性など、多くのデータや統計を目にすることが多かったと思います。

こうした統計を正しく理解するためにも、この単元は必要だと思います。

ただ、大学入試におけるこの単元への対策は、まだ手探り状態であるのが現状です。

高校の教員は、数学指導のプロであり、確率統計などの単元を学んで教員免許を取得しているはずですので、心配ないと思います。

しかし、世に出回っている参考書や問題集はまだそれほど充実していません。

数研出版の「チャート」や、啓林館の「Focus Gold」は、以前から掲載されているので大丈夫ですが、旺文社の「基礎問題精講」などは新訂版で新しく掲載されるものです。

古い参考書や問題集は、この単元が掲載されていないこともあるので注意が必要です。  

次回、数学の共通テストの変更について書きたいと思います。